猫は何℃から暑いと感じるのか

そろそろ夏本番ですね。今年は猛暑だそうで、人間はもちろん、猫にとっても厳しい季節です。今回は猫さんたちはいったいどのくらいの気温から暑く感じるのかについて書いてみたいと思います。

人間が暑さを感じる仕組み

まずは簡単にですが、人間が暑さを感じる仕組みについて書きたいと思います。

我々の体温は36℃~37℃程度です。体温がこれを超えると暑いと感じます。我々が感じる暑さというのは現在の体温が平熱より低いか高いかの話なのです。

そもそも我々の体は動くと熱を発します。運動はもちろんですが内臓が動くだけでも熱が発生します。つまり生きていれば熱が発生すると言えます。食事をするだけで汗をかく人がいますが、食事と言うのは手や口、胃を動かす比較的ハードな運動なのです。

インフルエンザなどで高温になると分かりますが、熱が高いと様々な機能に支障が出ます。よって、人体は体温が平熱を超えると熱を下げようとします。それが汗です。汗は蒸発するときに体温を奪っていきます。気化熱という理屈です。

外気温が体温よりも十分に低ければ汗を使わなくてもどんどん熱が奪われます。しかし、夏場のように体温と外気温が近くなると汗を出すことで熱をどんどん外に逃がそうとします。しかし、空気が湿っているとあまり汗が蒸発しません。そうすると体温が高くなり暑いと感じます。

気温が低めでも湿度が高いと暑いと感じるのは汗が蒸発しないからです。逆に、気温は高いのに湿度が低いと思いのほか快適なのは、汗がどんどん蒸発して体温調整ができるからです。そうはいっても40℃近いような気温ではいくら汗が蒸発したところで追いつきません。そもそも外気温が体温より高ければそこに存在するだけで体温が上がっていくのです。

この体温調整が追い付かず、体温が高くなりすぎることを熱中症と言います。熱中症に脱水が伴うのは、そもそも水が足りなくて汗を作れなくなって体温が上がるからです。

猫が暑さを感じる仕組み

では猫はどうでしょうか。結論から言えば猫も人間と同じで体温が平熱より高くなれば暑いと感じると考えられます。

猫の体温は38℃から39℃程度なのですが、人間より高いとは言っても体温がこれを超えると暑いと感じるはずです。猫も人間と同様に生きていれば熱が発生しますから、何らかの方法で体温を下げる必要があります。

猫が汗をかかないというのは有名な話です。緊張すると肉球には汗をかきますが体温調整の機能はありません。ではどうやって体温を調整するのでしょうか。それは4つあります。

  1. 体を冷たいものに押し当てて熱を直接逃がす
  2. 体を舐めることで、汗の代わりに唾液を気化させる
  3. 舌を出して唾液を気化させる
  4. 水を飲んで尿を出すことで熱を排出する

特に1つめなのですが、猫は涼しいところと温かいところを探すのが上手ですが、生きるために必要なことなのです。また、グルーミングも実は体温管理に一役買っているのです。猫を見ているとこまめに暖かいところと冷たいところを行き来しています。サウナと水風呂を行き来するおじさんみたいです。

そして猫は小型の動物であるため、熱が体内にこもりづらいとも言われています。大きな肉まんと小さなシュウマイでは、シュウマイの方が早く冷えますよね。それと同じ理屈です。

しかしそうはいっても猫は汗をかけませんし、毛に覆われておりますので、熱を発散させるのが苦手な生き物であるということができます。湿度に対しても人間と同様に苦手であると言えます。

猫が暑さを感じる基準は?

これは人間用の目安なのですが、暑さ指数(WBGT)というものがあります。湿度、輻射熱、気温の3つを使って計算する指数です。これが28℃を超えると危険が高いとされています。

環境省熱中症予防情報サイト 暑さ指数とは?

温度と湿度だけでは簡単に計算できないのですが、以下のサイトで現在の暑さ指数や予測を見ることができます。

環境省熱中症予防情報サイト(日本各地の現在の暑さ指数が見られます)

猫の場合、この暑さ指数がどの程度で暑いと感じるかは分かりませんが、単純に人間との体温差を足して、おおよそ暑さ指数30℃くらいだと熱中症リスクが高めと考えて良いように思います。まあ、猫を見れば暑ければ床にぐてーっと寝そべっていると思いますので分かると思います。

猫の暑さ対策はどうしたらいい?

今まで述べてきたように、猫はそれほど体温調整が得意な生き物ではありません。なるべく一定の条件の方が体への負担が少ないです。

もっとも良いのは湿度と気温が一定に保たれたちょうどいい空間を用意することです。エアコンを常に自動運転させていれば可能かもしれません。

そうでない場合、暖かい場所と涼しい場所、この2つを用意することです。この2つがあれば猫は勝手に体温調整をします。冷たい場所は例えば以下のようなものです。

  • 風通しの良い場所(気化熱を奪ってくれる)
  • 大理石などの熱伝導率が良く大きいもの(触れた部分から熱を奪ってくれる)

対向の窓を2か所開けて風を通せれば良いのですが、防犯上の理由で難しいこともあると思います。風通しの良い場所は実際に風が吹く場所ではなくても、例えばスノコや網、ハンモック、籐の籠なども風通しが良いと言えます。なお、畳というのも比較的良いです。また、羽が手や鼻、しっぽに触れず、電源コードも噛めないようになっているなら扇風機でも良いと思いますが、扇風機による窒息の恐れもありますので気をつけてください。

熱伝導率の高いものは金属も挙げられますが、ある程度の大きさが無いとすぐに温まってしまい、体温と同じ温度になってしまいますので、厚みのある金属や石などが適しています。または、フローリングの床などのように伝導率が低くても広さがあれば、猫側が徐々に移動しながら温度調整します。

とはいっても、ある程度の間取りがあれば、涼しいところの1つや2つはあるはずです。ただ、例えば西向きワンルームなどは夏の午後は灼熱地獄となりますので、エアコンと遮光カーテンが無ければ猫を飼ってはいけないレベルかと思います。ただ、人間が快適な温度ですと寒すぎますので、3度程度は高めにしてくださいね。