猫のための動物病院の選び方

私が一番後悔していることは、早く良い動物病院に出会えなかったことです。幾つかの病院を渡り歩いてきましたが、その実体験の中で考えた動物病院選びのポイントをご紹介したいと思います。

基本的に年中無休であること

多くの動物病院は年中無休です。本当に頭が下がります。多くても週1回休みです。学会や勉強会などに積極的に参加される病院では週1休みが多いですね。なので、あまり選ぶポイントにはならないのですが、それでも敢えて書きます。

人間の病院と動物病院の最大の違いは患者が言葉を話せない点です。つまり、病状が分かりにくいのです。特に猫は我慢強いので、気づいたときには手遅れになる場合もあります。これはつまり、人間よりも突発的で緊急的に動物病院へ行く必要が発生するということです。

その時休診日だとどうなるでしょうか。別の動物病院を探すことになります。普段は掛かりつけの獣医がいたとしても一番大切な時に休診では意味がありません。もちろん、担当の獣医が常に病院で勤務しているとは限りませんが、それでもカルテの共有ができます。

若い猫ならあまり気にしませんが、持病があったり、体調に不安のあるシニア猫であれば優先させたい条件です。

夜間、休日診療について案内があること

良い動物病院は病院が休みの場合どうしたらよいか、初診時に説明してくれます。

最近は提携している夜間救急センターの連絡先を教えてくれることが多いかもしれません。大きな動物病院の場合は独自に夜間救急センターを持っている場合もあります。逆に小さな動物病院では時間外でも緊急時は院長に連絡してくださいと言ってくださる動物病院も結構あります。ありがたいことです。院長はいつ寝てるのか心配になります。

なんにせよ、動物病院で大切なのは365日24時間なんらかのフォローができる体制を整えることです。それができることは最低限の条件です。

診察台などが清潔であること

良い動物病院は診察するたびに診察台などを消毒します。様々なペットが訪れる動物病院は実は寄生虫の巣窟です。なので、院内感染が多くなります。それを防ぐ対策を講じない病院は信用できません。

ただこれは実際に院内でよく観察しないと分からないですし、診察室が外から見えない場合は判断できません。なので、例えば診察台に毛が落ちてないかとか、拭いた後があるかなどで判断しても良いですが、獣医に直接聞いてしまうのが一番良いと思います。また、よく使うものなのでそもそも部屋のどこかに消毒液が置いてあると思います。

もちろん、獣医師自身せめて手は消毒しなければいけません。服の着替えはさすがに無理ですからね…。

レントゲンやCTなどを複数の獣医で検証すること

完全に1人でやっている動物病院では無理なのですが、複数人いる場合は特に院長が積極的に診察に関わっている病院だと良いです。

定期的な健康診断であるとか、経過観察ではまだ良いのですが、原因を特定したり治療方針を決めるような診察は複数人で臨むべきです。人間は間違う生き物ですから、診察も例外ではありません。

待合室で動物に好き勝手させないこと

猫はケージに入っていると思いますので、問題は犬です。人懐っこい犬や臆病な犬は走り回ったり暴れたり、看護師に抱き着いたりします。大抵は常連なので、病院側も注意するどころか可愛がってしまうことが多いです。特に小さな動物病院でよくみられる光景です。動物病院にいる人間は全員が犬に対して甘いだろうという飼い主の思い込みが原因です。猫のケージに頭突っ込んでくる犬もいますね。

決して犬嫌いで言っているわけではなく、猫にとってこういった環境はストレスであり、また、余計な院内感染を助長する可能性もあります。これは動物病院側できちんと仕切らないといけません。そもそも猫に対する認識が甘いので猫の診察も期待できません。

体重測定と触診、聴診は必ず行うこと

何の症状も無くてもまともな獣医なら必ずやります。同時に食欲や便についてのヒアリングも行うはずです。猫に限った話ではありませんが、これを行わない獣医は獣医であることを放棄しているので病院を変えましょう。

飼い主の話を尊重すること

飼い主と言うのはペットにとって最も近くにいる人間です。要するに獣医よりもそのペットについては専門家なのです。その話をあまり聞かない獣医は信用できません。最近はそんな獣医も少ないと思いますが、高圧的な獣医はまだいます。私は医者なので素人は黙っていろという態度は感心できませんし、うまく問診ができない医者は診察の精度にも疑問があります。

理由を説明してくれること

人間の内科医なんかは特に説明もなくレントゲン取ってみましょうなんて言う医者も多いですが論外です。特に保険の利かない動物病院では場合によっては簡単に数万円になります。

根本的には医療も買い物に過ぎません。買いものならば店員さんが時間をかけて丁寧に色々と説明してくれますよね。なぜそれができないのかという話です。

最後まで診療プランを提示できること

原因がはっきりしているような病気の場合、正直なところどこの動物病院でも大差はありません。

触診や問診では原因が特定できないような病気の場合にこそ獣医の真価が問われます。病名が付かないと根治療ができないので、原因の究明はとても大切です。

何をするためにこの検査を行い、それで分からない場合はこの観点からこの検査を行うといったように、体系立ててプランが立てられなければいけません。そしてそれを飼い主に対して説明する必要があります。

様々な検査をした結果原因がわからないのであれば、次なる一手を外部に求めるべきです。私は「分からないですねー」と平然と言ってそれで終わってしまう獣医を何人か経験しました。獣医は神様ではありません。人間の医者と比べるとそのカバーしなければいけない領域は広大です。だから専門領域以外は基本的に広く浅くなります。だからこそ、自分の中の知識に決め手がない場合、自分以外のところに次の一手を打てない医者はいざと言う時使い物になりません。

猫にとって良い動物病院の見分け方

色々好き勝手書きましたが、実は結局のところこれらを満たす可能性が高いのがCat Friendly Clinic(CFC)になるのです。

年中無休というのは必ずしも満たせないと思いますが、その他の点についてはCFC認定動物病院なら高い確率で満たすと思います。上記のうち多くの点についてはCFC認定基準でもありますからね。

そんなわけで、いままで動物病院に苦い思いをさせられてきた身としては、CFC認定と言う非常にわかりやすい目安をとても評価しているのです。

なお、CFCは誰かが勝手に認定するものではなく、動物病院が認定してくださいと自己申告で審査してもらうものです。つまり、良い動物病院であってもCFC認定を受けていないところも数多くあります。なので、CFC認定じゃないから駄目だということではなく、あくまで猫にとって良い動物病院の目安としてCFCというものがあるんだという風に認識して頂けたらと思います。

キャット・フレンドリー・クリニック(CFC)とは?
キャット・フレンドリー・クリニック(CFC)とは何かについて解説します。