キャットフードにはよくアダルトとかキトゥンとかシニアなどと書かれています。対象年齢を想定したものですが、具体的に何が違うのでしょうか。注意点なども併せて書きたいと思います。
キャットフードの対象年齢とは
多くのキャットフードには対象年齢があります。その分類は大きく分けると以下のようになります。ただし、実際にはキャットフードの種類によって異なるので、実際にはパッケージに具体的な年齢が書いてあるはずです。とはいっても人間と同じで厳密な区切りはないので神経質になる必要はありません。
- 子猫、幼猫用(キトゥン/キトン) …だいたい2か月から1歳
- 成猫用(アダルト) …だいたい1歳から6歳
- 老猫用(シニア) …だいたい7歳以上
- 全年齢用(オールステージ) …年齢関係なし
おおよその目安ですが、3週~5週で乳歯が揃い、3~6カ月で永久歯に生え変わります。乳歯が揃うと乳離れになります。
子猫用は乳歯が生えそろった頃くらいから食べられます。ただ、2カ月くらいまでは離乳食の方が良いです。離乳食を特別に用意しなくても子猫用フードを水でふやけさせて与えても良いです。
全年齢はその名の通り、年齢に関係なく与えられます。
年齢別に何が違うのか
年齢別に分かれているキャットフードは、何が違うのでしょうか。多きく分けて3つあります。
- カロリー
- 栄養素
- 形状
最も大きな違いはカロリーです。子猫は体重当たり成猫の約2倍カロリーが必要です。逆に成長もせず運動量が減る老猫だと必要カロリーはぐっと減ります。
次に違うのは栄養素です。子猫の成長には骨や筋肉を作る栄養が多く必要です。動物性の高たんぱく質フードが一番良いです。キャットフードが年齢別に分かれているのはライフステージによって必要な栄養素基準とカロリーが異なるからです。
そして形状ですが、特に子猫の口は小さいので小さい粒のものが多く、子猫が食べやすい形状になっています。成猫以降ではあまり関係ありません。
全年齢フードは何が違うのか
では全年齢とはなんでしょうか。それは、全てのライフステージにおいて栄養基準をクリアしているということです。カロリーの調整は、給餌する分量でコントロールすることになります。
つまり、製品によっても異なりますが、子猫は成猫に対して体重当たり2倍食べさせます。子猫は1度にそんなに食べられませんので、基本的には食事の回数を増やすことになります。
ただ、体がそれなりに大きくなっていればいいですが、永久歯もない子猫に2倍量というのは結構大変ですし、キャットフードのサイズが大きすぎる場合があります。なので、高密度な子猫用フードの方が与えやすく食べやすいわけです。
逆に年齢別のキャットフードの場合、カロリーは分量を変えることで満たせますが、栄養素が満たせない可能性があるということになります。
野生では年齢によって摂取する食料が変わるわけではありませんので、自然に近いと言えばそう言うことができます。しかし、自然では事故や天災で平均寿命が飼い猫よりもずっと短いので、特にシニア猫のフードが自然に近ければいいのかというのは未知の領域とも言えます。
フード選びで気をつけたいこと
子猫の間は高カロリー高栄養価を心がけることが大事です。子猫の時の栄養が成長の全てを決めてしまうので、より高品質なフードを与えましょう。可能であれば肉またはそれに準じたフードが良いです。
もちろん個人的なおすすめはジウィピークです。子猫は食べやすい缶詰の方が良いと思います。ただ、缶詰だけだと分量が多いので、状況を見てエアドライも交えたほうが良いと思います。
成猫でも基本的には高品質なフードであることがベストですが、子猫よりは優先度は下がります。どちらかというと肥満に気をつけてほしいです。キャットフードの給餌量ガイドには書いていませんが、成猫期間は時間幅が広いので、常に同じエネルギー量でいいわけではありません。1歳のやんちゃな猫と落ち着いた6歳の猫が同じ量では肥満になります。飼い主が運動量とごはんの量をコントロールすることが重要です。
シニアになると各種病気も表面化してきますので、カロリーや栄養だけでなく、肥満や病気を考えた栄養バランス、材料にすることが重要です。特に腎臓病や尿路結石は早めに対策を講じて悪いことは1つもありません。シニアの頃には手遅れな病気もありますので、可能なら成猫の頃から対処したいものです。
キャットフードの対象年齢まとめ
猫はそのライフステージによって必要なエネルギー、栄養素が変わってきます。特に子猫ではその違いは重要です。よって、可能なら高品質な子猫用のフードを与えたいところですが、高品質なフードには子猫用をうたったものが殆ど無く、全年齢のものばかりです。
人間でも同じですが、離乳食を過ぎたら大人用も子供用も基本的に違いはないですよね。好き嫌いや味の感じ方に違いはあるにしろ、同じものを食べます。中学男子が育ちざかりなので親の3倍食べるのと同じです。
カロリーが低すぎるキャットフードだと食べられる分量に対して摂取カロリーが低すぎる場合がありますが、一般に全年齢用のキャットフードであればカロリーが低すぎることはないと思いますので、子猫も食べきれると思われます。目安としてはドライフードであれば100gあたり300Kcalから400Kcalくらいのキャットフードであれば、子猫の必要カロリーを満たせると思います。