猫とグルテンフリーについて

よく目にしますよね。グルテンフリー。今のペットフードを語るうえで外せない単語となった感がありますが、具体的にどういう意味で、どう考えればよいのかについて書きたいと思います。

グルテンとは

グルテンとは小麦の胚乳から生成されるタンパク質の一種です。小麦にはグリアジンとグルテニンという物質が入っているのですが、この2つは水を媒介に結合してグルテンになります。小麦粉はサラサラしているのに、水を加えて混ぜると粘りが出ます。そう、グルテンになったのです。

では他の麦はどうなのでしょうか。グルテンを作る要素の1つであるグリアジンですが、これはイネ科植物の種子の胚乳に含まれているプロラミンというたんぱく質の一種です。その中でもグリアジンは小麦特有のものです。大麦にはホルデイン、ライ麦はセカリンというプロラミンが含まれています。

つまり、グリアジンとグルテニンから生成されるグルテンができるのは小麦だけです。しかしながら他の麦からもグルテンと似た物質ができます。グルテンにアレルギーのある人は構造が似たこれらの物質にもアレルギー反応が出る場合があります。よって、これらをまとめてグルテンと呼ぶことも多いようです。差別化するため、小麦からできるグルテンを小麦グルテンと呼びます。

ビールには大麦の麦芽が入っています。小麦グルテンではないけれど、グルテンフリービールが販売されています。ただ、アレルギー検査項目を見るとわかりますが、小麦と大麦やオーツ麦で分かれていると思います。小麦がダメだからと言って必ずしも他の麦にアレルギー反応を示すわけではありません。

ただし、生産経路などにより大麦やオーツ麦はなどに小麦が混入する場合があるので、小麦と書いていないからと言って100%信用はできません。蕎麦屋でうどんを頼んだら蕎麦が混じって出てきたみたいなものです。

なお、キャットフードの世界ではグルテンという場合、麦類全般を指すようですが成分表をよくご確認されることをお勧めします。

グルテンフリーとは

グルテンフリーとはグルテンが入っていないという意味です。グルテンはその粘弾性を目的に増粘安定剤として様々な食品に使用されています。グルテンフリーと明示されない限り、グルテンと無縁の加工食品はあまりないかもしれません。

グルテンフリーにする必要はあるのか

では、グルテンフリーにする必要はあるのでしょうか。結論から言えば、猫の食事はグルテンフリーに越したことはないと言えます。

もちろん、グルテンアレルギーの場合は除去が必要です。しかしグルテンアレルギーでない場合も安心はできません。グルテンアレルギーではないが既に何らかの疾患を抱えている場合、グルテンが原因でその症状が出ている可能性があります。これをセリアック病といいます。

セリアック病とは

腸は通常バリアのようなものを持っており、有害物質を吸収しないようになっています。グルテンを消化できない場合、グルテンによってリーキーガットという症状が引き起こされる可能性があります。

リーキーガットとは、消化できない物質が腸内にあることでゾヌリンという物質が分泌され、この腸バリアが緩み、毒性のある物質を吸収してしまう状態をいいます。

これによってアレルギー反応や様々な疾病が発症することが分かっています。これをセリアック病と言います。グルテン不耐性と言ったりもします。セリアック病は遺伝性とされていますが、似た症状を突然発症する例もあるようです。

特に理由もなく下痢や嘔吐を繰り返す場合は疑った方がいいかもしれません。

グルテンフリーまとめ

可能であれば猫にはグルテン除去食を与えたいところです。しかし、猫にとってグルテンが消化しやすい物質ではないのは確かですが、グルテンに対する反応は個体差あります。すべての猫についてグルテンの悪影響が出るわけではありません。

これはリスクをどうとらえるかの問題です。グルテンが入っているからと言って何も起きないかもしれませんし、何か起きるかもしれません。そして何も起きていないと思っていても水面下で問題がある場合もあると思います。

ひとつ言えるのは猫は肉食獣ですので、グルテンをわざわざ食べさせる必要性はないということです。ただ、費用的なことであったり、食いつきの問題であったり、他の病気との兼ね合いもありますので、無理に全てをグルテンフリーにすることもないと思います。グルテンフリーにお興味があるのであれば、可能な範囲で部分的に取り入れてみてはいかがでしょうか。

参考サイト:
さまざまな病気を引き起こすグルテン|獣医師による犬猫の手作り食・自然療法ガイド
セリアック病とは|アンブロシア株式会社