キャットフード原材料の見方

成分表の基本的な読み方の続きになります。今回は原材料について書いていきたいと思います。

キャットフード成分表の基本的な読み方
意外と知らない成分表の読み方の基礎部分をご紹介したいと思います。

最初に理解しておくべきこと

2009年6月1日に愛がん動物用飼料の安全性の確保に関する法律(ペットフード安全法)が施行されました。

これを踏まえて現在ではペットフードの原材料は一部の添加物以外は全て表記する必要があります。最低限ではありますが、成分表の表記を信じることができる素地が整ったということができます。ペットフード安全法の遵守については、独立行政法人農林水産消費安全技術センター(FAMIC)というところが順次検査を行っており、その内容はホームページで公開されています。

立入検査に係る試験結果の公表|FAMIC

ただ、これはいわば毒物検査です。例えば肉比率や何の肉かといった原材料表記が正しいかどうかはこの検査では明らかになりません。しかしながら成分分析されると前もって言われている商品に、検査対象項目ではないかもしれないが敢えて虚偽の記載をするというのは相応にリスクが高いことです。

ペットフード安全法では多くの原料について「類」という表記を認めています。嘘はつきたくないが細かく表記もしたくない場合、有意義な表記方法です。よって、「類」表記があるようなフードは悩むまでもなくこの際切り捨ててよいと思います。

「類」表記をしているフードが粗悪と言っているわけではありません。しかし、消費者への情報開示がないのは事実です。良い材料にしろ悪い材料にしろ原料が明らかであればコストパフォーマンスやライフスタイル、ペットの状態に合わせてリスクを消費者が選びます。その選択肢を奪うのはメーカーとしての姿勢に信頼がおけませんし、公開したら売れなくなるような原料と疑われても仕方のないところだと思います。

まあ「原材料が不明瞭だけど安い」という選択肢と考えることもできるので、切り捨てるというのは言いすぎですが、そういう考えの方は電脳世界の片隅のこんな記事を読まないでしょう。

AAFCOの定義

AAFCOでも言葉を定義しているので見てみましょう。かなり簡略化して意訳しています。間違ってたらすみません。

Meat [ミート、肉]

哺乳動物の筋肉組織。ただしそれに付随する皮、腱、脂肪、神経、血管を含むことがあります。なお、骨格筋、舌、心臓、横隔膜、食道などにみられる横紋筋も筋肉組織に含みます。骨は含まれません。

ミート、肉と一言で表した場合、牛、豚、羊または山羊を指します。これら以外の肉を使用する場合、動物の種類を特定する必要があります。

Meat by-products [肉副産物]

肉以外の部分です。肺、脾臓、腎臓、脳、肝臓、血液、骨、胃腸などを含みます。毛、角、歯、蹄は含みません。いわゆる屑肉と呼ばれるものです。

Poultry [家禽]

鶏や七面鳥の羽毛、頭、足、腸以外の部分。骨は含んでも含まなくても良いです。

Poultry By-Products [家禽副産物]

家禽の頭、足、内臓です。糞や異物は含みません。

Meat Meal [ミートミール、肉粉]

哺乳類の組織をレンダリングしたもの。ただし、偶然混入する以外の血液、毛、ひづめ、角、皮、糞、胃、第一胃を除く。ミートミールとだけ表記するとき、原料は牛、豚、羊または山羊以外であっても良いとされています。

レンダリングというのは屑肉から脂肪を溶かし精製して油脂にするという意味です。ラードや牛脂ですね。この副産物として高たんぱくな肉粉ができます。なので、レンダリングでミールを作ると脂肪は取り除かれます。高温で処理するのでウイルスなどは死滅します。

Meat and Bone Meal [ミートボーンミール、肉骨粉]

ミートミールに骨を加えてレンダリングしたものです。

Animal By-Product Meal [動物副産物ミール]

肉副産物をレンダリングしたもので、肉粉、肉骨粉ではないものを指します。原料は牛、豚、羊または山羊以外であっても良いとされています。

Poultry By-Product Meal [家禽ミール]

家禽をレンダリングしたもの。

Poultry Meal [家禽副産物ミール]

家禽副産物をレンダリングしたもの。

少し考えたい原材料

ここでは、成分表の表記が正しく、「類」という不明瞭な表記をしないキャットフードについて気をつけるべき原料を挙げていきたいと思います。

ただ、激安フードでない限り、そうそう心配することは無いと思っています。

肉副産物

肉副産物は基本的にメインの肉から外れた部位です。主に内臓を指します。

肉副産物自体は悪いものでも何でもありません。魚のアラやホルモンを思い浮かべていただくと良いのですが、今は商品として成り立っていますが元は副産物です。そもそも野生で考えると猫が肉副産物を食べるのは何もおかしなことではありません。正しく作られた肉副産物であれば栄養バランス的にはむしろ良いかもしれません。

実際問題として粗悪な肉副産物が出回ったことはあるでしょう。しかしそれで副産物自体を否定するのはおかしいです。とは書きましたが、材料に「肉副産物」とだけ書かれている場合、やはり避けたほうが望ましいでしょう。それは肉副産物という言葉の示す範囲が広すぎるからです。肉副産物そのものは悪いとは思いませんが、肉副産物と言ってしまうと具体的に何の部位なのかわからないのです。

結局のところ、メーカーがどういう意図をもって入れているかというのが信頼の元です。意図もなく費用面だけ見て肉副産物を入れているのであれば品質も期待できません。

肉副産物の1つではありますが、腎臓や肝臓などを入れているフードはあります。それは目的を持ってそれにあった部位を入れているから信用できるのです。例えば「自然本来の栄養バランスのために上質な鹿肉副産物を使用!」と言う感じで謳っているフードは見たことがありませんが、書いてあったら買うかもしれないです。

ミートミール

ミールと言うのは本来の意味では肉を精製して脂肪を除いたものと言えます。水分も脂肪もないので高たんぱくになります。品質の良いミートミールはある意味、ドライフードに最適なものです。

ミートの方が良いことは否めませんが、肉より輸送費も保管費もかかりませんし価格が安くなるはずです。少し違いますが濃縮還元ジュースみたいなものです。そういった意味では費用を抑える工夫の1つとしては十分ありだと思います。

ただ、ミートミールや家禽ミールと言う場合、その原料は何の動物か不明です。1種類か複数かもわかりません。ビーフやラムなど名前の付いたミールを選びましょう。ちなみにミートミールは牛と豚のミックスなことが多いです。

ミートミールは4Dミートか?

ミートミールの話になるとよく4Dミートだなんて話が出てきますが、違います。4Dミートと言うのは肉の品質の話です。ミートミールと言うのは加工方法の話です。

肉の品質についてはメーカーの言うことを信じるしかありませんが、4Dミートを使うのであればミートミールにしてもしなくても4Dミートのままです。ミートミールじゃないから安全だという考え方は間違っていますし危険です。価値のない4Dミートが仮に流通するとして、その場合に流通費も維持費も安く、生体的特徴も分からない肉粉にするであろうことは想像に難くありません。しかし、あくまで違うものです。

ただ、メーカー自体は健全でも、ミール業者も健全かはわかりません。日本でも挽肉加工で偽装がありましたが、例えば病死した動物や遺伝異常などの動物もミールにするとわからなくなりますので知らずのうちに使用してしまう可能性はあります。ミールは高温で処理されますから、普通の病原菌などは死滅します。ただ、たんぱく質異常などは残りますのでできれば避けたいところです。BSEで肉骨粉が使用禁止になったのは記憶に新しいところです。

もし心配であればヒューマングレードと謳っているミールを選択すると良いと思います。ヒューマングレードでミールを使うかは分かりませんが。

ミートミールは何の肉?

ミートミールやミートボーンミールと言うのは嫌な言い方をすると何でもありの肉を指します。以前ミートミールは死んだ猫や犬も原料になり得るという話がありましたが、仮にそうであってもミートミールとしては問題ありません。

このご時世にそういったことがまかり通るのかどうかはわかりませんが、製品の価格と言うものは原価以下に価格は下がりません。安い商品にはそれなりの理由があるべきと思うべきです。なんにせよ、ビーフミールやチキンミールなど動物名のついたミールを選択したほうが安心できるというのは間違いないと思います。

ビートパルプ

てんさいという野菜の砂糖を搾ったカスです。繊維質の塊みたいなものです。入っていたら悪いものではなく、その分量に拠ります。かさ増しで入れているのであれば前の方に書かれていますし、食物繊維のためであれば猫が必要な繊維は微量ですので後ろの方に書いてあります。成分表の繊維のところを注目すると良いでしょう。

コーングルテン

これもビートパルプと似たようなもので、とうもろこしの搾りカスです。主に皮部分ですね。たんぱく質含有量が多いので、たんぱく質量のかさ増しにも使用します。植物性たんぱく質については個人的には不要と思っていますが、賛否両論あります。

セルロース

食物繊維です。消化できないものです。腸内清掃とよく言われますが、敢えて添加するほど必要かは個人的には疑問です。

エキス

基本的には原料からうま味成分を抽出したものです。鶏ガラとかもそうですね。肉そのものの使用率が低い場合によく使われます。

風味

恐らくは香料か調味料であろうと想像されます。風味なのでそれに関する原料は使用されていない可能性があります。化学調味料みたいなものではないかと想像しています。情報がないのであやふやですみません。

結局どうしたらいいのか

結局のところキャットフードの品質と言うのはかなり不透明です。では何で判断するか3つしかありません。

  1. 値段
  2. メーカー発信の情報
  3. 実績

中でも一番の目安は値段です。不当に高いことはあるかもしれませんが、キャットフードの世界では基本的に安かろう悪かろうです。ただその悪かろう具合が想像を絶する悪さなだけです。

似たものをスーパーで買う値段と比較するのは正しいとはいませんが、目安位にはなります。例えばシーチキンが100g100円で売っていたら安い方だと思います。原材料のほとんどがツナとなっている猫缶がその価格以下なら品質は当然シーチキン以下です。設備も産地も人件費も製造量も流通量も違うので単純な比較はできませんが、大まかには参考になります。あるべき価格から外れるには必ず理由があります。

合理的な論拠はないのですが、個人的な価格相場としてはドライフードの場合1カ月の食費が2000円を超える必要があると思っています。まずまず納得できるフードというのはおおむねそれ以上の価格帯なのです。もちろん、それより安くて良いフードもあると思いますが、個人的な目安と言うことです。缶詰については正直なところ何とも言えませんが、そこそこ良い材料であれば1カ月で9000円以上だろうなとは思います。1日300円ですね。

次にメーカーの情報ですができれば工場はISOなどを取得している方が望ましいです。なぜかというと品質を一定に保つ仕組みがあるということだからです。どんなに良い材料を使っていても、かならず不良品があります。リコールも定期的に発生します。それを最小限にして原因を究明し、再発防止ができる体制であるべきです。

また、積極的に産地や成分などを公開している企業は好感が持てます。つまり誰かが調べても痛くないということです。公式ホームページなどの情報が多いメーカーは良いメーカーです。嘘をついていたらどうするのかと思われる方がいるかもしれませんが、公式ページで嘘を公開するというのは非常にリスキーです。短期間で荒稼ぎできるような商品ならともかく、キャットフードは長期的に費用回収するタイプの事業です。

最後に実績ですが、いわば公然の動物実験ですからね。30年売っていれば消費者の声も市場に溢れています。ただ、偏った情報をカスタムするメーカーも多いので、良い意見も悪い意見も公正に判断する必要があります。逆に、過激で大きな声はよく通りますが総意ではありません。

★でランク付けしてもいいですが、その意味を読み取らないと一方的な思い込みで否定することになります。取るに足らない理由で★1の商品なんてごまんとあります。逆に★5が★5を呼ぶような意味のない口コミも沢山ありますからね。