キャットフード成分表の基本的な読み方

みなさんキャットフードの成分表って読んでますか。意外と知らないこともありますので、今回は成分表の基本的な読み方をご紹介したいと思います。

表示の決まり事

ペットフードの表示についてはペットフード公正取引協議会というところが定めており、その規約に従って表示することになります。任意団体ではありますが、これに違反すると日本での営業が事実上困難になるため、悪意が無い限りはこれに沿っているはずです。

ではどのようなことを規定しているのか見てみましょう。

ペットフード公正取引協議会
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必須表示項目

事業者は、施行規則に定めるところにより、ペットフードの容器又は包装に、表示した文字が鮮明に識別できるよう、次に掲げる事項を外部から見やすいところに邦文で明瞭に表示しなければならない。
(1) ペットフードの名称
(2) ペットフードの目的
(3) 内容量
(4) 給与方法
(5) 賞味期限
(6) 成分
(7) 原材料名
(8) 原産国名
(9) 事業者の氏名又は名称及び住所

上記9つについてはどこかに記載されているはずです。このうち、ペットフードの名称、賞味期限、原材料名、原産国名、事業者の5つについてはペットフード安全法でも表示が義務付けられていますので、書いてないと法律違反になります。

では気になる項目について見てみましょう。成分と原材料名は突っ込みどころが多いのでまとめて後述します。

ペットフードの名称について

よく、キャットフードの名前にはまぐろとか食べ物の名前が表示されてます。これについても実は定められています。

事業者は「ビーフ」、「チキン」、「まぐろ」等特定の原材料をペットフードの内容量の5パーセント以上使用している場合でなければ、当該ペットフードの名称、絵、写真、説明文等に当該原材料を使用している旨の表示をしてはならない。

商品に原料の名前がついていたら、5%以上使用しているということです。ただ、微妙なのは原料にまぐろを使っていなくても「まぐろ風味」とか「まぐろ味」といった表記は許されてしまうところです。初めて気づくと騙された感があるのですが、人間用でもカニ風味とか普通に使われてますよね。

なので、商品名の段階で実は原材料がある程度分かります。基本的に安い商品ほど味とか風味とか書いてあります。

ペットフードの目的について

ペットフードの目的というのは犬用か猫用か、そして総合栄養食とか療法食とか一般食の分類のことです。以下の記事も参考にしてください。

今更だけど総合栄養食と療法食の本当のところ
総合栄養食や療法食について改めて詳しく解説します。

給与方法について

成猫体重1kgあたり1日**gとか書いてあると思います。大抵は表になっていますね。

これはあくまで目安です。猫の必要カロリーと言うのはその猫の状態によって異なります。年齢、去勢済かどうか、現在の太り具合、運動量、怪我や病気の有無などでも変わってきます。よって、目安を妄信せずに、猫に合わせた量を与えるべきです。

何も注意書きが無い場合、表示されているのは平均体重の健康で活発な猫であることが多いので、室内飼いの場合は量が多すぎることがあります。なので、インドアキャット用とかはカロリーが低めになっているはずです。

特に気をつけたいのは運動量です。これは年齢とも関係します。年を取れば運動量は必ず減ります。3歳の猫と15歳の猫が同じ量でいいわけがありません。

動いた量が分かれば消費カロリーを計算したりはできますが、そもそも1日でどの程度運動しているか計測するのが難しいです。なので、太り方を見ながら加減するしかないかもしれません。

原産国名について

これは、商品の製造国です。原材料の原産国ではありませんのであまり役に立たないのですが、傾向をつかむことができます。

例えば同じメーカーの同じキャットフードでも、ロットによって原産国が違う場合があります。複数の工場を抱えるような大きな会社にありがちです。

また、缶詰やレトルトパウチの原産国はタイが多いです。これはタイが人件費も魚の値段も安いためと考えられます。タイは小型まぐろが良く取れるので、人間用のツナ缶もタイ産が多いです。タイ産といっても品質的には問題ありません。むしろ品質は工場に依存するのでISOなどの取得状況の方が重要です。

なお、ここでいう原産国とは袋詰め以外の最終加工工程を行った国を指します。よって輸入品のリパックを日本で行っても原産国は日本にはなりません。そして、最終加工工程より前の工程がどこかもわかりません。

また、例えば輸入した肉を国内で加工すれば国産と表記されます。その他にも少し気になる解釈もあります。以下のQAをご覧ください。

Q.35 輸入製品で、最終加工工程を完了した国がわからない場合の原産国表示はどうしますか。

A.35 輸入の際の通関申告時の原産国を表示してください。

Q.36 海外の複数の国で製造された粒を、日本国内で均等に同量ずつ混合・包装しています。原産国はすべての国を書くのでしょうか。

A.36 全く同量ずつであれば、全ての国を書くことが必要でしょう。
ただし、製品の大部分を占める国を表示するのであれば、その限りではありません。

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ペットフード安全法 表示に関するQ&A|農林水産省

パッケージの原産国表記を完全に信用するのも危ないかもしれません。ホームページなどで大々的に原料の原産国を謳っていれば安心できると思います。

成分表示について

成分については以下のように定められています。

成分の表示は重量百分比とし、次のとおり記載するものとする。
たんぱく質・・・%以上
脂質・・・・・・%以上
粗繊維・・・・・%以下
灰分・・・・・・%以下
水分・・・・・・%以下

糖質(=炭水化物)については記載しろとは書かれていませんね。一応1つずつ意味を確認しましょう。

たんぱく質

言い換えるとアミノ酸です。体を構成する物質であり、猫にとっては主要なエネルギー源です。

脂質

比較的曖昧なのですが、脂です。水に溶けず、有機溶媒に溶けるものを脂質と言います。

炭水化物(繊維質+糖質)

最近は炭水化物のことを糖質と呼ぶことの方が多いです。糖質のうち消化しづらいものを繊維質と呼びます。なので、成分表的には糖質+繊維質が炭水化物と言うことができます。

灰分[かいぶん]

ミネラル分を指します。燃やした後に残る成分なので灰分と言います。

水分

そのまま水です。

糖質の求め方

成分の合計値は100%になりますので、表示されていない糖質を求めるには、100から水分、たんぱく質、脂質、繊維、灰分を引けばよいということになります。

粗の意味

普通は「粗たんぱく質」と言った感じで「粗」というのがついてるはずです。「粗」はだいたいという意味で、他のものが含まれており正確な数値でないことを表します。そもそも技術的に正確な計量ができないのでこのような表記になります

原材料名表記の決まり事

この項目が最重要ににもかかわらず、一番曖昧で注意点が多いので、少し詳しく見たいと思います。良いキャットフードを選びたいのであれば、ここは必ず認識しておいた方が良いかと思います。

原則として使用した原材料全てを記載する。

原材料は一応すべてを記載することになっています。ただし、それを台無しにする但し書きがついてしまいます。

添加物は多い順ではない

まずはこれ。

添加物以外の原材料は、原材料に占める重量の割合の多い順に記載すること。

添加物が最後にまとめられて書いてありますが、その分量は順番ではわからないのです。添加物自体の量は微々たるものではありますが、後ろに書いてあるからと言って少ないわけではないということだけ覚えておくと良いと思います。

分類名表記でも良い

続いてこちら。

なお、分類名(穀類、いも類、でん粉類、糖類、種実類、豆類、野菜類、果実類、きのこ類、藻類、魚介類、肉類、卵類、乳類、油脂類)による表示も可能とする。

プレミアムフードではあまりないのですが、廉価なフードではよく見られます。特に肉が分類名で記載されているような商品はあまり信用できないと感じます。例え良いものを使っていたとしても消費者を突き放しすぎています。逆に「類」を使わずに記載しているメーカーは好感が持てます。

一時的なら「他」「等」でもいい

これに至っては一時的と言い訳できるならば「他」「等」でまとめてよいと言ってしまっています。

一時的に変更される可能性のある原材料については、「他」又は 「等」と表示することもできることとする。

さすがに本当に「等」と書くメーカーはないと信じたいですが、添加物あたりはたまに「など」と書いてあったりしますね。一時的なら書かなくていいというのはパッケージ変更の手間を考えたものだと思いますが、確定してない材料でペットフードを作らないでほしいです。

特定の添加物は一括表示可能

イーストフード、かんすい、酵素、光沢剤、香料、酸味料、調味料、豆腐用凝固剤、苦味料、乳化剤、pH調整剤又は膨張剤として使用されるものについては、一括名で表示することも可能とする。

上記については物質名でなくて用途でまとめてしまっても良いわけです。

書かなくていい添加物がある

そして絶妙なのがこれです。加工助剤は載せなくてよいのです。

添加物については、加工助剤を除き、使用したものを全て記載することとする

加工助剤というのは普段の生活では聞いたことが無いと思いますが、以下のようなものです。実は人間用でも同様なので、危険視している人は多いです。

ペットフードの加工の際に添加される物であって、当該ペットフードの製造の過程において除去されるもの、当該ペットフードの原材料に起因してそのペットフード中に通常含まれる成分と同じ成分に変えられ、かつ、その成分の量を明らかに増加させるものではないもの又は当該ペットフード中に含まれる量が少なく、かつ、その成分による影響を当該ペットフードに及ぼさないものをいう。

3つともかなり嫌なのですが、特に赤字のところは何を以て影響を及ぼさないかの説明もありません。

細かく突っ込むと他にもあるのですが、これらをまず知っておくと良いかと思います。

成分表の読み方まとめ

今回は成分表全体についての基本的な事項について述べました。原材料の名前や添加物についてはまた別でまとめたいと思います。

いずれにしても、規定最低限でしか記載していないよりは、詳しく記載しているメーカーの方が信用できます。基本的に安ければ安いほど表示内容が最低限になり、ブラックボックス化される傾向にあります。

また、製品に貼ってある成分表とは別に、ホームページで詳細を公開しているメーカーも沢山あります。成分表だけでなくそちらもチェックしてみることをお勧めします。添加物の添加理由や、原材料ごとの原産国が分かる場合もあります。